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【BCP担当者向け】富士山噴火の降灰停電、企業はどう備えればよいのか

地震や台風による停電対策は検討済みという企業でも、「火山の噴火による停電」まで想定できているケースは、まだ多くないのではないでしょうか。実は国の検討会において、富士山が噴火した場合に首都圏で広範囲の停電が起こり得るという報告書が公表されています。地震のように建物が損壊するわけではないため見落とされがちですが、降り積もった火山灰が電線や変電設備に付着することで、長期的な停電につながる可能性があるとされているのです。今回は、この降灰による停電リスクを切り口に、企業がBCP(事業継続計画)としてどのような電源対策を検討しておくべきかを整理していきます。特定の製品を強く推奨することが目的ではなく、平常時の備えとしてどのような視点を持てばよいのかをまとめました。

富士山噴火という「起こりうるBCPリスク」を数字で捉える

国の検討会が示した降灰ステージという考え方

首都圏における広域降灰対策を検討する会合では、富士山が大規模噴火した場合に住宅地や道路に降り積もる火山灰の量が、東京ドーム換算で数百杯分にのぼると試算されているようです。生活や経済活動への影響が大きいことを踏まえ、報告書では降灰量に応じた行動の目安を段階的に示しているとされています。おおむね30センチ未満の降灰であれば自宅や職場での生活・業務継続を基本としつつ、それを超える降灰では避難を検討する、という考え方が示されている点は、企業のBCP担当者にとっても押さえておきたいポイントだといえます。あわせて、影響が長期化する可能性を踏まえ、1週間分、可能であれば2週間分程度の備蓄を持っておくことが望ましいとされている点も、防災用品の備蓄計画を立てるうえで参考になりそうです。

数センチの降灰でも起こりうる停電のリスク

避難が必要になるほどの降灰量に達していなくても、電力インフラへの影響はそれより早い段階で顕在化する可能性があるとされています。電線につながる部品や変電設備に火山灰が付着し、そこに雨が降ることで漏電やショートが起こり、停電につながるケースが想定されているためです。降灰のシミュレーションでは、噴火から一定期間で広い範囲に灰が到達するとされており、都市部であっても大規模な停電が発生し得るという前提で備えを考えておく必要がありそうです。建物そのものに被害がなくても電気だけが使えなくなるという状況は、オフィスの業務継続という観点では地震や台風とはまた異なる備えが求められる場面だといえるでしょう。

ソーラー発電も止まる「同時多発型」のリスクである点

停電時の電源確保策として太陽光発電を検討している企業も少なくないと思われますが、降灰が発生している状況ではソーラーパネルの発電効率が大きく低下する可能性がある点には注意が必要です。パネル表面に灰が積もることで太陽光を十分に取り込めなくなり、期待していた発電量が得られなくなるとされています。つまり、火山灰による停電は「電力会社からの供給が止まる」と「自家発電の手段も同時に弱まる」という2つの事象が重なって起こり得るリスクだと捉えることができます。BCP計画を立てる際には、単一の代替電源に頼るのではなく、複数の確保手段を組み合わせておく発想が重要になってくると考えられます。

停電時に企業が最優先で確保すべき「情報収集ライン」という視点

なぜ「通信機器の充電」が最優先事項になるのか

大規模な停電が発生した際、テレビなどの情報機器は電源が落ちてしまうため使用できなくなります。そうなると、状況把握の手段は乾電池式のラジオか、スマートフォンなどの携帯端末に限られてくるとされています。避難生活が長期化する場合、いつ停電が復旧するのか、周辺の状況がどうなっているのかといった情報を得られるかどうかは、従業員の安全確保や事業継続の判断に直結する重要な要素です。オフィスや拠点にポータブル電源を備えておけば、通信機器の充電を継続できる可能性が高まり、情報収集ラインを維持しやすくなると考えられます。容量の大きなモデルでなくても、スマートフォン程度であれば比較的小型のポータブル電源でも相当回数の充電に対応できるとされており、まずは通信手段の確保という最低限のラインを守る発想から検討を始めるのも一つの方法です。

防塵防水規格という、降灰対策ならではの選定基準

火山灰による停電シーンを想定する場合、通常の停電対策とは異なる観点として、機器そのものの防塵・防水性能が挙げられます。屋外や換気の悪い環境で使用する可能性がある場合、灰やほこり、突発的な雨にさらされても安定して動作するかどうかは無視できない要素です。IP規格という国際規格では、最初の数字が防塵性能、2つ目の数字が防水性能を表すとされており、数字が大きいほど耐性が高いとされています。例えばBLUETTIのAC60は、公式サイトの情報によると定格容量403Wh・最大出力600W、防塵防水性能IP65に対応しているとされ、屋外設置や過酷な環境下での使用も想定した設計になっているようです。降灰対策としてポータブル電源を選定する際は、容量やWh数だけでなく、こうした環境耐性の指標も確認しておくことをおすすめします。なお、性能値は改良やモデルチェンジにより変わることがあるため、導入時には必ずメーカー公式サイトの最新情報をご確認ください。

容量だけでなく「何を守りたいか」から逆算する

BCP用の電源を検討する際、つい容量やWh数の大きさに目が行きがちですが、まずは停電時に何を最低限稼働させ続けたいかを整理しておくことが望ましいと考えられます。通信機器の充電だけを想定するのか、照明やノートパソコン、場合によっては小型の冷蔵庫まで含めるのかによって、必要な容量は大きく変わってきます。動画内で紹介されていた小型モデルの使用例では、スマートフォンであれば100回前後の充電、ノートパソコンであれば10時間程度、LEDランタンのような低消費電力の機器であれば50時間以上使用できるとされていましたが、これはあくまで一例であり、実際の稼働時間は使用環境や機器の消費電力によって変動する点には留意が必要です。自社が守りたい業務・機能を先に定義し、そこから逆算して機種を選ぶという順序が、無駄のない投資につながると考えられます。

ソーラーが使えない想定での企業向けBCP電源運用計画

非常用発電機との組み合わせという選択肢

降灰でソーラー充電が期待できない場合の再充電手段として、非常用発電機を組み合わせる方法が考えられます。発電機のAC出力からポータブル電源のAC入力へケーブルをつなぐことで充電が可能になるとされていますが、その際は出力波形が安定したインバーター式の発電機を選ぶことが望ましいとされています。波形が不安定な発電機を使用すると、接続する機器によっては正常に充電できない、あるいは故障につながる可能性があるとも言われているため、発電機を導入する際は対応可否をメーカーに確認しておくと安心です。オフィスビル内での発電機の使用については、換気や消防法上の制約が関わってくる場合もあるため、詳細は最寄りの消防署や建物管理者にご確認いただくことをおすすめします。

走行充電という「日常運用の延長」で備える発想

もう一つの再充電手段として、社用車のオルタネーターを利用した走行充電器を活用する方法が挙げられます。近年はEcoFlowやBLUETTI、DJIといった各社が、車のエンジンを動かすだけでポータブル電源を充電できる走行充電器を相次いで発売しており、話題になっているようです。自宅やオフィスのコンセントが使えない状況でも、社用車を走らせることで数百W規模の充電が可能になるとされており、営業や配送などの通常業務の延長線上で、意識せずとも電源を確保しておける点がBCP対策との相性の良さにつながると考えられます。対応する電圧や電流の仕様、接続するポータブル電源の型番との適合性は製品ごとに異なるとされているため、導入を検討する際はメーカーや販売店に事前に確認しておくことをおすすめします。

複数拠点・複数台構成での運用ルール化

複数の拠点を持つ企業がBCP用の電源を整備する場合、拠点ごとにどのメーカー・どの容量の電源を、どの車両や設備と組み合わせて運用するのかを一覧化しておくことが望ましいと考えられます。担当者の異動があっても運用が継続できるよう、取扱説明書の保管場所やメーカーの問い合わせ窓口、保証期間などの情報を、特定の個人に依存しない形で社内に残しておくことも重要なポイントです。降灰による停電は発生から復旧までの期間が読みにくいとされているため、平常時のうちに定期的な充電状態の確認や、実際に電源を起動して機器へ接続するまでの手順を一度シミュレーションしておくと、いざという時に慌てず対応しやすくなるはずです。

導入前に社内で確認しておきたい体制づくり

BCP電源の導入を進める際は、まず自社が想定する停電シナリオを整理し、必要な容量・台数・設置場所の候補を洗い出すところから始めるとよいでしょう。全拠点への一斉導入はコスト面でもハードルが高くなりがちなため、事業継続上の重要度が高い拠点から先行して整備し、運用面での課題を洗い出したうえで他拠点へ展開していくという段階的な進め方も現実的な選択肢だと考えられます。設置場所については、消防法や建物の管理規約によって制限がかかる場合もあるとされているため、判断に迷う場合は事前に消防署や建物管理者へ確認しておくことをおすすめします。

富士山噴火という事象は、いつ起こるか予測することが難しいテーマではありますが、国の検討会が具体的な降灰シナリオと備えの目安を示している以上、企業としても他人事にはできないリスクだと感じています。地震や台風とは異なり、建物への直接的な被害がなくても電力インフラだけが長期間止まってしまう可能性がある点は、BCP計画を見直すうえで見落としやすい観点かもしれません。

私たちボルトワークスは、元自動車メーカーで培った電装・電源の知見をもとにポータブル電源専門店として、法人のお客様の非常用電源選定から走行充電器の施工、導入後の運用相談まで幅広く承っております。降灰による停電というリスクへの備えをまだ具体的に検討されていないご担当者様は、まずは自社の停電シナリオの整理からでもお気軽にご相談ください。

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