元動画:ポータブル電源は-10℃まで使えて充電は0℃から|冬の停電で効く10℃の差と会社の置き場所の決め方(https://www.youtube.com/watch?v=HPQE90wXUCc)
冬の停電は、夏とは違う怖さがあります。暖房が止まれば事務所は少しずつ冷え、従業員との連絡や照明をポータブル電源が支えることになります。ところが、ポータブル電源は置いておけば安心というものではありません。電池は寒さが苦手で、仕様表には「電気を出せる温度」と「電気を入れられる温度」が別々に書かれていることが多いからです。この違いを知らないまま備えると、いちばん必要な朝に電池を補充できない、という事態が起こり得ます。この記事では、2026年11月に公開された動画の内容をもとに、法人のBCP担当者が冬の置き場所と手順を決めるための考え方を整理します。なお、温度の範囲や取り扱いは製品ごとに異なります。実際に運用する際は、お使いの製品の最新の取扱説明書とメーカーの公式案内をご確認ください。

仕様表の3つの温度と「10℃の差」を読み解く
動画ではまず、ポータブル電源の公式仕様表に並ぶ温度の数字から話が始まります。ここを正しく読めるかどうかが、冬の備えの出発点になります。
放電、充電、保管はそれぞれ別の温度
動画が基準にしたのは、EcoFlowのDELTA 3 Maxの公式ページです。そこには温度が三つ載っています。電気を出す放電の温度は-10℃から45℃、電気を入れる充電の温度は0℃から45℃、保管の温度は-10℃から45℃です。同じ製品でも、出す側と入れる側で使える下限が違う点に目が向きます。他の製品では数字が異なる場合があるため、自社で備えている機種の仕様表を、一度開いて見比べておくことをおすすめします。
出せるのに入れられない、という状況
動画の話者は、この差は10℃あると説明していました。たとえば周囲がマイナス5℃だとすると、仕様の上では電気を出すことはできても、入れることはできないという数字の並びになります。停電が長引いて電池が減ってきたとき、電気が戻ったのでコンセントから充電したい、あるいは晴れたのでソーラーで充電したいと考えても、本体が冷え切っていると、仕様の上では充電できません。電池が残っているうちは安心に見えても、補充の手段が閉ざされている可能性がある、という点が冬の怖さだと考えられます。
法人の備蓄では、購入時に容量や出力の大きさに目が向きがちですが、温度の項目まで読み込んで稟議や備蓄計画に反映している例は、あまり多くないのではないでしょうか。備蓄品を点検する際の確認項目に、使える温度と充電できる温度の二つを加えておくだけでも、冬に慌てる場面は減らせると考えます。特に、事務所とは別の場所に備蓄庫を構えている会社や、拠点が寒冷な地域にある会社では、夏と冬で同じ前提のまま運用していないかを見直す価値があります。
確認できていない数字は、余裕を持って考える
動画では、確認できなかった事柄も正直に語られていました。仕様表の充電温度は0℃から45℃と一つだけ書かれており、充電の方法ごとに別の数字があるかどうかは、確認した範囲では見つからなかったそうです。また、一般にリチウムイオン電池は低温で性能が落ちると言われますが、低温のときに使える容量がどれだけ減るのかという公式の数字も、見つからなかったとのことです。数字がない以上、会社としては余裕を持って考えるしかありません。計画を立てる際は、仕様表の数字ぎりぎりではなく、少し手前で運用する前提にしておくと安全側に倒せます。

会社の置き場所は何℃になるのか、暖房を電池でまかなえるのか
仕様の数字を押さえたら、次はそれを自社の建物に当てはめます。
玄関や倉庫、車の中を冬の夜に想像する
動画は「玄関、倉庫、備蓄庫、車の中など、冬の夜に冷え切る場所に置いていませんか」と問いかけます。それは電池そのものの問題というより、置き場所と手順の問題だという指摘です。暖房が止まった建物の中がどれくらい冷えるかは、窓際や外壁に面した床、倉庫、車の中など、場所や地域、建物によってまったく違います。経営の目で見れば、冬の停電で業務が止まるかどうかを分けるのは、こうした小さな決めごとだというのが話者の考えでした。
推測ではなく、冬のあいだに温度計で測る
では、自社の置き場所は実際に何℃になるのでしょうか。動画では、推測ではなく冬のあいだに温度計で測ってみる価値があると勧められていました。暖房を止めた状態の最低温度を一度記録しておけば、その場所が0℃を下回りやすいかどうかの根拠になります。測るのは数日分でも構いません。備蓄の置き場所を決める会議で、実測値を一つ示せるだけでも、議論はずっと具体的になると考えられます。
あわせて、置き場所の候補をいくつか並べて測っておくと比較ができます。たとえば、執務室の中央、会議室、バックヤード、倉庫といった具合に、停電時に実際に人が集まる場所と、備蓄を置きたい場所を見比べます。人が過ごせる場所のほうが暖かいことが多いため、電池も同じ場所に置けないかを検討する、という発想です。ただし、置き場所は避難経路や重さ、床の強度などの条件も絡むため、温度だけで決めず、総務や施設の担当者と一緒に確認することをおすすめします。
暖房を電池でまかなうのは数字の上でも厳しい
もう一つ、動画が数字で示したのが暖房との関係です。DELTA 3 Maxの容量は2048Whです。仮に600Wの電気ヒーターをつなぐと、2048を600で割って約3.4時間という計算になります。これはあくまで計算上の目安で、電気を変換する際の損失があるため、実際はもっと短くなります。一方、50Wの電気毛布なら約41時間です。熱をつくる機器は電気をたくさん食うので、体温を守る手段は毛布や防寒に回し、電池は通信と照明に使うほうが、数字の上では長く持つというわけです。稼働時間は気温や機器によって変わるため、保証される数字ではない点にご注意ください。

冬の停電に備える3つの決めごと
動画の後半では、会社として何から決めればよいのかが、三つの決めごととして整理されていました。
一つ目は、冬の置き場所を決める
一つ目は、暖房が止まっても0℃を下回りにくい屋内の場所を、冬の置き場所として決めることです。外に面した窓際や床への直置き、倉庫、車の中は避けるよう話者は呼びかけていました。そのうえで、冬のあいだに最低温度を温度計で一度測っておくと確実だとされています。夏と同じ場所に置いたままにせず、季節で置き場所を見直すという発想が、備蓄の運用では大切になりそうです。
二つ目は、冬の手順を紙に書く
二つ目は、冬の手順を紙に書いておくことです。動画では、停電のたびに残量を確かめること、取扱説明書が勧める範囲を超えて減らしすぎないことが挙げられていました。さらに、停電の後に本体が冷えていたら、充電の前に暖かい屋内へ移して、温度がなじむのを待ったほうがよいとも説明されています。非常時は担当者が不在のことも多いため、誰が見ても同じ順番で動けるよう、紙に書いて備蓄の近くに置いておくと安心です。手順の細部は機種ごとに違うので、実際には自社の取扱説明書で確認してください。

三つ目は、暖房は電池と分けて考える
三つ目は、暖房と電池の線引きを、あらかじめ決めておくことです。体温は毛布や防寒で守り、電池は通信、照明、情報収集に使う。この分担を平時のうちに決めておけば、停電の最中に迷わずに済みます。話者は、出せるのに入れられないという状況をつくらないことが肝心だと強調していました。迷う場合は、自社の使い方を専門家に相談するのも一つの方法です。
基準にした1台と、機種選びの順番
動画の最後には、温度の数字の基準にしたEcoFlow DELTA 3 Maxが、メーカーの情報として紹介されていました。容量は2048Wh、定格出力は2200W、瞬間的な最大出力は4400Wで、X-Boostを使えば最大2700Wの機器まで対応するとされています。重量は約20.3kgです。ここで話者が強調したのは、何を何時間電池に頼るのかを先に決めてから、機種と台数を選ぶという順番でした。スペックの大きさから入るのではなく、冬の停電で守りたい機能を先に書き出す、という考え方です。最新の仕様や価格は、メーカーの公式情報でご確認ください。
動画は、次の三つにまとめられていました。電気を出せる温度と入れられる温度は違うこと。暖房を電池でまかなうのは数字の上でも厳しいこと。だからこそ、冬の置き場所を決め、冬の手順を紙に書き、暖房と電池を分けて考えること。筆者の見方としては、この三つを一枚の確認表にして、毎年の冬の前に見直す習慣にしておくと、担当者が代わっても備えが途切れにくいと考えます。まずは、自社のポータブル電源が冬の夜に何℃くらいの場所にあるのかを、今季のうちに一度測ってみてはいかがでしょうか。
置き場所や機種選びでお悩みの場合は、現在お使いの機種、置き場所の状況、守りたい機器をお知らせください。使い方に合わせたご提案ができます。

▶【YouTubeで動画を見る】https://www.youtube.com/watch?v=HPQE90wXUCc
▶【ボルトワークス公式ショップ】https://voltworks.official.ec/
▶【公式LINEで相談する】https://lin.ee/Cd11jZO
▶【お電話でのお問い合わせ】050-1809-3937