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社員を会社に3日留めるなら、電気は何Wh要るのか|10人の事務所で数える備え方

大きな災害で電車が止まったとき、従業員を無理に帰らせず、会社にしばらく留まってもらう。この考え方は、BCP(事業継続計画)や帰宅困難者対策の基本として、多くの企業で検討されています。水や食べ物は「人数×日数」で数えて備蓄している会社が多い一方で、電気については、どれだけ要るのかを数字で考えたことがない、という担当者の方も少なくありません。本記事は、ボルトワークスの動画「社員を会社に3日留めるなら、電気は何Wh要る?10人の事務所で計算」で紹介された考え方をもとに、必要な電気の量を割り算で見積もる手順を整理するものです。数値は動画内で例として示されたもので、実際の事務所の機器や運用によって変わります。購入や導入の判断の前には、メーカーの公式ページや取扱説明書で最新の情報をご確認ください。

水や食べ物と同じように、電気も数えられる

留めると決めたのに、夜の部屋が暗くて連絡も取れない

動画の冒頭で語られていたのは、従業員を会社に留めると決めたあとの「夜」の問題です。日が暮れれば照明が要ります。スマートフォンの充電が切れれば、会社への連絡も、家族への連絡もできなくなります。留まってもらうと決めたのに、部屋は暗く、連絡も取れない状態になれば、結果として社員さんを心細い場所に置くことになりかねません。水と食べ物の備蓄だけで安心してしまうと、この部分が見落とされやすいとされています。

東京都の条例は、3日分の食料等の備蓄を努力義務としている

動画では、東京都の資料をもとに、2013年4月に施行された帰宅困難者対策の条例が紹介されていました。条例は、事業者に対して従業員の一斉帰宅の抑制と、3日分の食料などの備蓄を努力義務として求めている、という説明です。これは東京都の条例ですが、従業員を会社に留めるという考え方は、他の地域の会社にもそのまま通じるものです。なお動画では、確認した東京都の資料に電気を数字で示した記載は見つからなかったとも述べられています。だからこそ、各社が自分で数える必要があり、見落としやすい項目でもあります。

必要な電気の量は「消費電力×使う時間」で出せる

電気の数え方は、実はむずかしくありません。機器の消費電力(W)に、使う時間をかけると、必要な電気の量(Wh)が出ます。これを1日分、3日分と積み上げ、備える電源1台あたりの容量で割れば、必要な台数の目安が見えてきます。動画では、この考え方を「水や食べ物と同じ、人数と日数の考え方」として紹介していました。

数える前に決めておきたい前提

数字を出す前に、何人を何日留めるのか、そして夜に電気を使う場所はどこか、という前提を決めておく必要があります。前提が曖昧なままだと、どれだけ正確に計算しても、実際の場面とずれてしまいます。動画の例は、あくまで「10人の事務所」を仮定したものです。ご自身の会社に当てはめるときは、人数や滞在日数、使う機器を置き換えて考えると、より実態に近づきます。

10人の事務所で3日分の電気を割り算で出し、守る機器を絞って台数を見直す

1日に要る電気を、3つの機器で数える

動画の例では、守る機器を3つに絞って数えています。1つ目は、スマートフォンの充電です。1台あたり15Whとして、10人分で150Whとされていました。2つ目は、ルーターなどの通信機器です。30Wの機器を12時間つなぐと、360Whになるという計算で、回線が使えることが前提になります。3つ目は、LED照明です。1か所20Wで、10人の事務所を例に1日12時間つなぐ想定で、240Whとされていました。

合計は1日で750Wh、3日で2,250Wh

3つの合計は、1日で750Whです。これを3日分にすると、2,250Whになります。電気の量を「見える数字」にしてみると、スマートフォンの充電だけでは足りず、通信と照明をどこまで支えるかで、必要な量が大きく変わることが分かります。動画では、あくまで例であることを繰り返し断ったうえで、この数字を基準に台数を考えていました。

1台1,024Whの電源なら、2.2台で3台が下限になる

動画では、計算の基準として、容量1,024Whのポータブル電源(EcoFlow DELTA 3 Plus)が使われています。2,250Whを1,024Whで割ると、約2.2台です。台数は整数ですから、切り上げて3台になります。3台あれば合計3,072Whで、余りは822Whほど、全体の3割弱です。

ここで気をつけたいのが、変換ロスです。電気を取り出すときには、一定の損失が出るため、表示されている容量をそのまま使えるわけではありません。動画でも、2台では2,048Whにしかならず、2,250Whに届かない、と整理されていました。余裕を見ておくと、この例では3台が下限、という結論です。

余りの3割弱は、使えない分を見込んだ余裕

余りの822Whは、無駄ではなく、変換ロスや想定外の使用を受け止めるための余裕と考えるのが妥当でしょう。ぎりぎりの計算で台数を決めると、実際に使ったときに足りなくなる可能性があります。備える側としては、計算結果にある程度の余裕を持たせる、という姿勢が大切になります。

照明を別の手段に変えると、1日510Whになる

動画では、続いて、照明を電池式のLEDランタンなど別の手段に変えた場合の計算が紹介されています。ポータブル電源が支えるのは、スマートフォンと通信機器だけになります。すると、1日あたり510Whで、3日分は1,530Whです。もとの2,250Whと比べると、必要な電気の量はおよそ3割ほど減ります。

1,530Whなら2台に収まり、余りは約25%

1,530Whなら、容量1,024Whの電源2台、合計2,048Whで足ります。余りは518Whで、全体の約25%です。余裕を持って収まる計算になります。同じ10人の事務所でも、何を電源で守るかを決め直すだけで、台数が3台から2台に変わる、というのが動画の例でした。

台数は、機種の性能より先に「何を守るか」で決まる

動画で強調されていたのは、「台数は、機種の性能より先に、何を守るかで決まる」という点です。製品選びの前に、どの機器を支えるのかという優先順位を決めておくと、必要な台数の見積もりも、予算の説明も、しやすくなります。通信とスマートフォンは優先する、照明は別の手段で補う、といった判断は、現場の実態を知っている担当者の方が決められる部分です。

人が休む部屋に置くなら、音も確認したい

留まる従業員が過ごす部屋にポータブル電源を置く場合は、動作音も気になります。動画では、EcoFlowの公式の仕様表には、騒音は30dB未満、ただし出力が600W以下のとき、と記載されていると紹介されていました。使用する出力によって音の条件が変わるため、実際に置く場所と使う機器を想定して、機種の仕様書を確認しておくと安心です。

数えて備えるための3つの決めごと

1つ目:何人を何日留めるか決め、守る機器の1日分を出す

動画では、備えを実際の行動に落とすための決めごとが3つ紹介されていました。1つ目は、何人を何日、会社に留めるのかを決めることです。そのうえで、その間に守る機器を順番に書き出します。それぞれの消費電力に使う時間をかけて1日の電気の量を出し、日数をかけていきます。

2つ目:台数は容量で割って決め、置き場所と担当も決める

2つ目は、必要な電気の量を1台の容量で割って台数を決めることです。変換ロスがあるため、余裕を持たせるように、と動画でも述べられていました。さらに、置き場所と、配る担当を決めておきます。夜に誰がどの順番で充電するのかを決めておかないと、いざというときに混乱してしまうからです。電源があっても、運用が決まっていなければ、使いこなすことは難しくなります。

3つ目:年に1度は本番と同じように一晩試してみる

3つ目は、年に1度、本番と同じように一晩試してみることです。電気は足りたか、置き場所は合っていたか、社員の声はどうだったか。計算上は十分でも、実際にやってみると、コンセントの位置や延長コードの長さが合わない、といった発見があるものです。水や食べ物と同じように、電気も数えて備えられる、というのが動画の結びでした。

計算の基準にした1台のスペックを確認する

動画では、計算の基準にした電源として、EcoFlow DELTA 3 Plusが紹介されていました。メーカーの情報として、容量は1,024Wh、定格出力は1,500Wで、X-Boostを使えば最大2,000Wの家電まで動かせるとされています。ソーラー入力は500Wの口が2系統で合計1,000W、AC充電は最短56分、バッテリー寿命は4,000回以上と案内されている、という説明でした。重量は約12.5kgです。これらは動画内の紹介にもとづくもので、販売状況や仕様は変わることがあります。購入を検討される場合は、必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。

迷ったら、前提を書き出して相談する

台数や機種選びで迷ったときは、人数、滞在日数、守りたい機器の一覧、置ける場所の4点を書き出してから、販売店やメーカー、専門店に相談すると話が早く進みます。本記事の計算は、あくまで動画で示された例にもとづく目安です。製品によって容量や出力、使い方の条件は異なります。法人での導入を検討される場合は、補助金や助成金の対象になるかどうかも含めて、お住まいの自治体や専門の窓口にご確認ください。

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