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【過去動画の振り返り】非常時に電動工具を動かす電源は、出力と容量をどう見積もるか

元動画:【重さ半分以下】1100Whで11.1kgのポータブル電源がDIYに向いている理由 出力1200Wで電動工具も動く(https://www.youtube.com/watch?v=sUZzW8Sn0ho)

本記事は、動画の概要欄に「2021年9月時点の情報」との注記がある過去の動画を振り返る回です。動画では、DIYでキャンピングカーを作っている投稿者が、容量1,100Wh・定格出力1,200Wクラスのポータブル電源を1週間使い、丸のこやインパクトドライバーなどの電動工具を動かせるかどうかを試していました。ここでは特定の製品をおすすめするのではなく、動画の前半で丁寧に語られていた「工具を動かすために必要な出力と容量の考え方」を、災害後の応急補修や、コンセントが届かない現場作業を想定したBCP(事業継続計画)の備えに置き換えて整理します。停電時の電源というと、照明やスマートフォンの充電が思い浮かびますが、倉庫の補修や仮設の養生など、電動工具を使う場面を想定している企業は多くないと考えられます。なお、製品の数値は動画の説明と、クラウドファンディングの掲載ページの記載を照らし合わせたもので、現在の販売状況や仕様は変わっている可能性があります。導入にあたっては、メーカーや販売店の最新の情報をご確認ください。

工具が必要とする出力は、動き出す瞬間に大きくなる

動画の前半は、ポータブル電源の紹介に入る前に、出力という言葉の意味を確かめる構成になっていました。ここは、製品が変わっても使える考え方ですので、先に整理しておきます。

出力とは、工具を動かすためのエネルギーのこと

動画では、出力を「工具を動かすためのエネルギー」と説明していました。特にモーターを使う工具は、常に一定の電力が必要になるわけではなく、スイッチを入れて動き出す瞬間に大きな出力が必要になると話されています。また、木材や鉄板を切るときに抵抗が増えると、モーターに負荷がかかって、出力が瞬間的に大きくなることもあるそうです。この性質は、丸のこやグラインダーに限らず、モーターを使う家庭用ミキサーやポータブルクーラーのような一般的な家電にも当てはまる、という説明でした。法人の備えで考えると、事務所や店舗にある送風機や掃除機、冷蔵庫なども、同じ考え方で見直せる可能性があります。

最大瞬間出力は定格の1.5倍が目安という話

動画では、電源を選ぶときには定格出力だけでなく最大瞬間出力も考える必要があるとして、定格出力の1.5倍ほどを見ておけば十分だろう、という目安が紹介されていました。画面の表では、インパクトドライバーが定格450Wで瞬間最大675W、ドリルが定格200Wで瞬間最大300W、丸のこが定格1,200Wで瞬間最大1,800Wと示されています。ただし、この1.5倍は話者の目安であり、機種や使い方によっては、もっと大きな電力が一時的に必要になる可能性もあります。確実に知りたい場合は、動画でも触れられていたとおり、工具の本体に貼られたラベルや取扱説明書の記載を確認するのが無難です。

動画の中でも丸のこの目安は揺れていた

細かい点ですが、動画の中で丸のこの出力の目安が一か所に定まっていない場面がありました。ナレーションでは丸のこやグラインダーが約1,000Wと話される一方で、先ほどの表では丸のこが1,200Wと表示されています。これは、工具のメーカーや型式によって定格が違うことを示す例だと受け止められます。BCPの備えでは、動画の数字を鵜呑みにせず、自社が実際に持っている工具のラベルを一台ずつ確かめて、台帳にまとめておくと、選定の根拠がはっきりします。

自社の工具を棚卸しして、コード式と充電式に分けておく

動画では、マキタの充電式バッテリーの充電器も、出力の分布図の左側、つまり小さな出力の側に置かれていました。充電式の工具は、電源側ではバッテリーを充電するだけですので、コード式の丸のこに比べて必要な出力が小さく済む傾向があると考えられます。災害後の作業を想定するなら、コード式の大きな工具を電源につなぐ前提にするのか、充電式のバッテリーを複数用意して電源で充電する運用にするのかで、必要な電源の大きさが変わります。まずは、自社の工具をコード式と充電式に分け、それぞれの定格出力をラベルから拾って一覧にするところから始めてみてください。

容量は、1日に使う電力量から逆算して考える

出力の話の次に、動画は容量の説明に進みます。容量は、電化製品をどれくらいの時間使い続けられるかを表す数字で、Wh(ワットアワー)で示されます。

工具は動かし続けないので、1日の使用量は意外に小さい

動画では、DIYの現場で工具をずっと動かし続けるわけではなく、1日に使う電力量は500Wh程度というのが現実だと説明していました。丸のこで板を切る時間は、作業全体から見ればわずかで、段取りや測定、組み立ての時間のほうが長いからです。これは、BCPの観点でも参考になります。たとえば定格1,200Wの工具を、実際に動かす時間を合計して30分とした場合、単純計算では600Wh程度です。ただし、これは筆者の単純な計算例であり、実際の消費電力は負荷や工具によって変わります。自社の作業内容から、動かす時間の合計を見積もっておくと考えやすくなります。

出力と容量の分布図で、必要な範囲を見る

動画では、縦軸を容量、横軸を出力とした分布図を作り、丸のこやグラインダーが約1,000W、研磨用のサンダーが約300W、マキタの充電器が左側あたりに並ぶ様子を見せていました。そのうえで、DIYの工具の多くは1,000W前後を上限に、左下の範囲に集まっていると説明されています。ここで伝えたかったのは、必要以上に大きな出力や容量を求めなくても、この範囲をカバーできれば十分な性能と言える、という点でした。容量が大きすぎると電源が大きく重くなって作業効率が下がる、という指摘もありました。法人の備えでも、念のためと大きなものを選ぶより、実際に使う工具から範囲を決めるほうが、無駄が少ないと考えられます。

動画で示された、家電の連続使用時間の目安

動画では、この電源でヘアドライヤーなら約1時間、小型の冷蔵庫なら約8時間、電子レンジなら約1.3時間使える、という目安も示されていました。画面の表示では、ヘアドライヤーが1,200W、冷蔵庫と冷凍庫が150W、電子レンジが650Wとなっています。これらの時間は、電源の容量を表示の消費電力で割った目安と考えられ、実際には電源の変換ロスや気温、機器の状態によって短くなる可能性があります。作業の合間に休憩用の家電を使う場合は、工具の分と合わせて余裕を持った見積もりにしておくと安心です。

1週間の使用で、残量表示が1つ減る程度だったという感想

投稿者は、DIYをしながら小型扇風機、マキタの充電器、カメラの充電器、サンダー、丸のこなどをつないで使ったそうです。丸1日使っても、電源の残量表示が1つ減るか減らないかという使い勝手だったと話しています。これは、1日の使用量が500Wh程度という見立てと整合する体験談です。ただし、あくまで一人の使用者が自分の作業で試した結果であり、作業の内容や人数、使う工具が違えば結果も変わります。自社で同じ使い方ができるかどうかは、実際に使う工具で試験しておくのが確実です。

持ち出しやすさと、導入前に確認したい条件

動画の後半では、重量や端子の構成が紹介されていました。ここでは、法人が導入前に確認しておきたい点に絞って整理します。

重い電源は、使う頻度が下がるという指摘

動画では、1,100Wh級のポータブル電源は重いもので25kgほどある一方で、取り上げられた製品は11.1kgと説明されていました。重いと持ち運びが億劫になり、使いたいのに我慢して使う頻度が下がってしまう、という指摘です。逆に軽さを優先して容量や出力が小さくなりすぎると、満足できなくなるとも話されていました。非常用の電源は、備え付けたまま使わない状態が続きがちです。担当者が一人で動かせる重さかどうかは、いざという時に使われるかどうかに関わる要素だと考えられます。なお、11.1kgという重量は動画の説明で、今回確認したクラウドファンディングの掲載ページでは重量の記載を見つけられませんでしたので、実際の重さは販売元に確認してください。

端子の構成と、動かせる機器の範囲

動画では、ACコンセントが複数口あるほか、USB Type-AとType-C、シガーソケットが付いていると紹介されていました。クラウドファンディングの掲載ページでは、AC出力が3つで、波形は正弦波と記載されています。同じページには、定格出力1,200W以下の家電が使用でき、瞬間的な出力が3,000Wを超える機器もあるため、冷蔵庫のような機器には注意が必要だという趣旨の説明もありました。工具をつなぐ場合も、定格出力と瞬間出力の両方に収まるかを、機器ごとに確認する必要があります。

古い製品を見るときの確認点

この電源は動画の概要欄にあるとおり2021年9月時点の情報で、現在の販売状況は、今回の確認では公式の販売ページが見つかりませんでした。クラウドファンディングの募集は終了しており、同じ製品を今から購入できるかどうかは、販売元に確認していただく必要があります。また、掲載ページによれば保証は商品到着日から1年間、フル充電で1,800回以上の充放電という記載はテストに基づくもので保証ではない、との注記がありました。近年は、同じ容量帯でも寿命の長さをうたう電池の種類を採用した機種が増えており、保証の年数も各社で異なると言われています。古い動画を参考にするときは、考え方は活かしつつ、数値は最新の資料で更新する姿勢が大切です。

保管と温度の条件も、運用に組み込んでおく

掲載ページには、使用できる温度範囲が-10度から45度とされていることや、満充電で保管する場合は3か月に1回の充電が推奨されていることも書かれていました。倉庫や車内に置く場合は、夏場の高温や冬場の低温にさらされることもあります。工具を使う現場は屋外であることも多いため、置き場所や保管の条件を、点検の日付とあわせて台帳に記録しておくと、担当者が替わっても運用が続けやすくなります。

まとめ:工具の定格から出力を決め、使う時間から容量を決める

動画の内容を振り返ると、電動工具を動かす電源は、まず工具のラベルから定格出力と瞬間的な出力を確かめ、次に1日に動かす時間から必要な容量を見積もる、という順番で考えるのが分かりやすいと感じました。出力の目安は定格の1.5倍という話がありましたが、これは話者の目安にとどまりますので、余裕をもたせて確認してください。BCPの備えとしては、自社の工具をコード式と充電式に分けて一覧にし、災害後の作業で動かしたい工具と時間を決めておくことから始めてみてはいかがでしょうか。そのうえで、担当者が一人で運べる重さか、保管の条件は守れるか、保証や購入先は確かかを確かめていくと、選定の根拠がはっきりします。数値や仕様は更新されている可能性がありますので、最終的にはメーカーや販売店の最新の情報をもとに判断してください。

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