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【BCP担当者向け】防災電源は重さで選ぶ時代、誰でも持ち出せる軽さへ

非常用電源の導入というと、まず容量(Wh)や出力(W)の大きさに関心が向きがちですが、実際に停電が起きた瞬間に見過ごされやすい論点があります。それは「その電源を、実際に誰が持ち出すのか」という点です。大容量の据え置き型モデルを倉庫や防災用ロッカーに備えていても、深夜や休日に被災した場合、対応に当たるのはたまたまその場にいた従業員一人ということも珍しくないようです。体力に自信のある担当者ばかりとは限らない以上、非常用電源そのものの「重さ」は、企業のBCP(事業継続計画)において意外と軽視できない設計要素だと考えられます。

この記事では、そうした持ち出し・運用のしやすさという視点から、非常用電源の軽量化がBCPにどう役立つのかを、BLUETTIが展開する「AORA 100 V2」「AORA 30 V2」という2つのモデルを例に整理していきます。私たちボルトワークスは元自動車メーカーで培った知見を生かし、ポータブル電源専門店として法人のお客様の導入相談にも数多く携わっており、現場で聞こえてくる「結局、誰が運ぶのか」という悩みもふまえながら考えていきます。

非常用電源を「持ち出せる人」がいるとは限らないという盲点

大容量電源を導入しても、運ぶ人がいなければ意味を持たない

非常用電源の選定では、まず必要な容量や出力から逆算して機種を決めるのが一般的な進め方です。ただし、容量が大きくなるほど本体重量も増える傾向にあり、10kg台後半から20kgを超えるような大容量モデルも珍しくないとされています。こうしたモデルは据え置いて使う分には問題ありませんが、被災した拠点やフロアまで運ぶ必要が生じた場合、重量そのものが行動のハードルになってしまう可能性があると考えられます。容量というスペック表の数字だけを見て導入を決めてしまうと、実際に使う場面での「持ち出しやすさ」という条件が抜け落ちてしまいがちです。

深夜・休日の被災は「その場にいたスタッフ」が対応するしかない

災害はオフィスの営業時間を選んで起きるわけではありません。深夜や休日、あるいは少人数体制のタイミングで停電が発生した場合、防災担当者がすぐに駆けつけられるとは限らず、たまたまその場に居合わせた従業員が初動対応にあたることになります。日頃から重量物の運搬に慣れているとは限らないスタッフが対応することを前提に考えると、非常用電源は「誰か特定の担当者しか動かせない重さ」ではなく、「その場にいた人が無理なく持ち出せる重さ」であることが望ましいといえそうです。

女性スタッフや高齢の従業員も含めた運用体制を前提に考える

近年はオフィスで働く従業員の年齢層や体格も多様になっており、防災備品の運用体制を検討する際には、力の強い特定の担当者だけを前提にするのは現実的ではなくなってきています。女性スタッフや高齢の従業員が当直や休日出勤をしている場面も想定すると、20kgを超えるような重量物を一人で運ぶことは、身体的な負担はもちろん、思わぬ転倒や腰痛といった二次的なリスクにもつながりかねません。誰が対応しても無理のない重量帯かどうかは、防災備品を選ぶうえで安全管理の観点からも確認しておきたいポイントだと考えられます。

避難訓練で見えてくる「重すぎて運べない」という現実

実際に避難訓練や防災訓練で非常用電源を持ち出す動作を試してみると、想定より重くて運びにくいという声が挙がることは少なくないようです。カタログスペック上では問題なく見えても、実際に階段を使って移動させたり、片手で扉を開けながら運んだりする場面を想定すると、重量による負担は数字以上に大きく感じられることがあります。導入前の段階で一度、実機を使った持ち出し訓練を行っておくことは、いざという時の運用面での不安を減らすうえで有効な確認作業だといえそうです。

約3割の軽量化が意味すること、AORAシリーズに見る技術動向

「AORA 100 V2」が実現した約11.5kgという重量

BLUETTIが展開する「AORA 100 V2」は、公式情報によれば定格容量1,024Whとされ、1kWhクラスの中でも高出力な部類に位置づけられているモデルです。定格出力は1,800W(独自機能により瞬間的に2,700Wまで対応・瞬間最大3,600W)とされており、電子レンジやドライヤーなど消費電力の大きい家電にも対応しやすい出力帯だといえそうです。それでいて本体重量は約11.5kgとされており、従来モデルの「AORA 100」と比べて約3割ほど軽量化が図られているとされています。容量や出力を大きく落とすことなく重量だけを抑える設計は、持ち出しやすさを重視する企業のBCP用電源にとって検討材料になりやすいポイントだと考えられます。

リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)と長寿命設計を維持したままの軽量化

軽量化が図られたモデルであっても、バッテリーにはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池が採用されており、公式情報では4,000回以上の充放電サイクルを経ても実用に耐える容量を維持できるとされています。非常用電源は日常的に使い切るものではなく、備蓄されたまま長期間保管されることも多いだけに、軽さと引き換えに寿命や安全性が犠牲になっていないかは、選定時に確認しておきたい観点です。軽量化と長寿命設計を両立させる方向で技術が進んでいる点は、企業が長期保有を前提に電源を選ぶうえで安心材料のひとつになりそうです。

「AORA 30 V2」なら一人で片手でも持ち運べる重量帯

より小型の「AORA 30 V2」は、公式情報によれば定格容量288Wh、定格出力600W(独自機能により瞬間的に1,500Wまで対応)とされ、本体重量は約4.3kgとされています。この重量帯であれば、体力に自信がない従業員でも片手で持ち運べる範囲に収まりやすく、フロアごと、部署ごとに小分けで配備しておくという運用とも相性がよさそうです。大容量モデル1台にすべてを頼るのではなく、軽量な小型モデルを複数用意しておくという発想は、「誰が運ぶのか」という課題そのものへの現実的な回答になり得ると考えられます。

軽さは持ち運びだけでなく設置場所の自由度にもつながる

重量が軽くなることのメリットは、非常時の持ち出しやすさだけにとどまりません。平常時の設置や移動も一人で行いやすくなるため、清掃や什器の配置換えの際にも気軽に動かせるようになり、結果として「使われないまま倉庫の奥にしまわれる」という事態を避けやすくなるとも考えられます。防災備品は日頃から目につく場所に置かれ、必要なときにすぐ手が届く状態を保ててこそ意味を持つものであり、軽量化はその前提条件を整える技術的な進化のひとつだといえそうです。

出力とのバランスをどう見るか

軽量化された電源を選ぶ際に注意したいのは、軽さだけを優先して出力や容量が業務に足りなくなってしまわないかという点です。動かしたい機器の消費電力を事前に確認したうえで、「据え置き用の大容量モデル」と「持ち運び用の軽量モデル」を役割分担させるという考え方であれば、軽さと実用性の両方を無理なく満たしやすくなると考えられます。

軽量電源を企業のBCPにどう組み込むか

「据え置き型」と「携行型」を分けて考える二段構え

企業のBCP電源計画では、サーバーや複数のIT機器を長時間稼働させたい主要拠点向けの「据え置き型」大容量モデルと、被災した現場やフロアへ持ち出すための「携行型」軽量モデルを、あらかじめ役割分担させて考えておくと運用がしやすくなります。据え置き型に容量を集約しつつ、携行型を各フロアに分散配備しておけば、被災箇所に応じて柔軟に電力を融通できる体制を整えやすいと考えられます。

フロア・部署ごとの小分け配備という発想

軽量なモデルであれば、1台あたりの導入コストや保管スペースの負担も比較的抑えやすいため、フロアや部署ごとに1台ずつ小分けで配備するという運用も現実的になります。特定の防災倉庫に電源を集約するのではなく、日常的に人がいる場所の近くに分散して置いておくことで、被災直後に「電源のある場所まで移動する」という手間そのものを減らせる可能性があります。

定期的な持ち出し訓練を無理なく続けられる重さかどうか

防災備品は、導入して終わりではなく、定期的な点検や訓練を継続してこそ実際の災害時に活きるものです。重量が軽ければ、避難訓練のたびに実機を使った持ち出し訓練を行うハードルも下がり、担当者の負担を抑えながら訓練を習慣化しやすくなると考えられます。逆に重すぎるモデルは、訓練自体が敬遠されて形骸化してしまうおそれもあるため、継続のしやすさという観点でも軽量モデルには意味があるといえそうです。

導入前に確認しておきたいチェックポイント

軽量モデルを法人のBCPに組み込む際は、動かしたい機器の消費電力、保管場所の温度環境、そして実際に運搬する可能性のある従業員の体力面まで含めて、導入前に一通り確認しておくことが望ましいといえます。製品によって仕様や推奨環境は異なる場合があるため、詳細は購入前に販売店や公式情報で確認しておくと安心です。机上のスペック比較だけでなく、実機を手に取って重さを確かめたうえで判断することが、導入後の「思っていたより重くて使いづらい」という事態を避けるうえで役立つと考えられます。

ここまで、非常用電源の「重さ」という視点から、軽量化が企業のBCPにどう役立つのかを整理してきました。容量や出力ばかりに目が行きがちな非常用電源選びですが、実際に停電が起きたときに電源を持ち出すのは、特別な訓練を受けた担当者とは限りません。その場に居合わせた誰もが無理なく扱える重さであることは、防災体制の実効性を左右する地味ながら重要な条件だと考えられます。私たちボルトワークスは、法人のお客様の非常用電源導入に関するご相談にも対応しています。「結局、誰が運ぶのか」という課題に心当たりのある担当者の方は、ぜひ一度お気軽にお声がけください。