Blog

ブログ

法人の非常用電源は初期価格でなく、買い替えまでの総コストで選ぶ視点

法人でBCP用の非常用電源を検討する際、比較の第一歩として本体価格を横並びにする担当者は多いのではないでしょうか。しかし非常用電源は一度導入すれば数年単位で使い続ける設備であり、初期費用の安さだけで選んでしまうと、数年後の買い替えタイミングやサイクル寿命の違いによって、結果的に総コストで見劣りしてしまうケースがあります。今回はBLUETTIのAC70とEcoFlowのRIVER2 Proという、容量帯が近い2機種を例に、初期価格だけでなく「使い続けた場合の総所有コスト」という視点で比較する考え方を整理してみたいと思います。なお製品の仕様は動画内の紹介およびメーカー公表値に基づくものであり、実際の性能や価格は変動する場合がありますので、導入をご検討の際は必ずメーカーの最新の公式ページをご確認ください。

「安い方を選ぶ」が必ずしも正解にならない理由

法人の設備調達では、同じような性能の製品が複数ある場合、単純に価格の安い方を選びがちです。しかし非常用電源のように長期間使い続ける設備では、購入時の価格だけを見て判断すると見落としがちな論点があります。

本体価格が近い2機種でも「使い続けた先」は違う

容量や出力といった基本スペックが似通っている機種同士であっても、バッテリーのサイクル寿命や保証年数、部材のグレードによって、実際に使える年数には差が出ることがあります。仮に2つの機種の本体価格が数千円程度しか変わらなかったとしても、片方が数年早く寿命を迎えるようであれば、買い替えまでの期間で均した「1年あたりのコスト」では逆転する可能性があります。法人の設備投資という観点では、この「1年あたりのコスト」こそが本来比較すべき指標であり、初期価格はあくまでその計算の入り口に過ぎません。

サイクル寿命という指標をコストに変換して考える

バッテリーのサイクル寿命は「満充放電を何回繰り返せるか」を示す指標としてカタログに記載されていることが多く、リン酸鉄リチウム(LFP)系のバッテリーであれば数千回程度とされる製品が一般的です。この回数を、自社が想定する年間の充放電回数(点検も含む)で割ることで、おおよその使用可能年数を試算できます。本体価格をこの使用可能年数で割り算すれば、「1年あたりいくらで運用できる設備なのか」という総所有コスト(TCO)の視点で比較できるようになります。この試算は複雑な計算式を必要とするものではなく、電卓一つで概算できる程度のものなので、稟議資料に添える一行の根拠としても活用しやすい指標です。

買い替え時の「処分・下取り」も見落とされがちなコスト

意外と見落とされがちなのが、寿命を迎えた非常用電源の処分にかかる手間とコストです。リチウムイオン系のバッテリーは家庭ゴミとして処分できないため、法人であれば産業廃棄物としての処理ルートを確認しておく必要があります。メーカーや販売店によっては下取りプログラムを用意している場合もあり、こうした制度の有無も長期的なコストに影響する要素として、比較検討の段階で確認しておくとよいでしょう。

複数拠点で保有している場合はスケールメリットも考慮する

複数の拠点で同じ機種を統一して導入している企業であれば、処分や下取りをまとめて依頼することで、1台あたりの手続きコストを下げられる可能性があります。逆に拠点ごとに異なるメーカー・機種をばらばらに導入していると、保証条件や処分ルートもそれぞれ異なり、管理担当者の事務負担が増えてしまいます。TCOという視点は、1台単位だけでなく、保有台数全体で見た時にも効果を発揮する考え方だといえます。

BLUETTI AC70とEcoFlow RIVER2 Proに見る、近い容量帯の比較視点

TCOという切り口を踏まえたうえで、実際に容量帯の近い2機種を例に、どのような観点で比較すればよいのかを整理します。

どちらも768Wh前後のクラスという共通点

動画内で紹介された内容によれば、BLUETTI AC70とEcoFlow RIVER2 Proは、いずれも768Wh前後の容量帯に位置づけられるモデルとされています。定格出力についても、AC70は700W前後、RIVER2 Proは800W前後とされ、日常のちょっとした家電やOA機器を動かす用途では大きな差が出にくい容量帯だといえます。容量・出力だけを見ると似た製品に見えるからこそ、その先の「使い続けた場合の違い」を比較する意味が出てきます。

バッテリー素材とサイクル寿命という比較軸

両機種ともリン酸鉄リチウム(LFP)系のバッテリーを採用しているとされており、発熱や劣化に強く、長期間の使用に耐えやすいという傾向がある点は共通しています。ただしメーカーによって公表しているサイクル寿命の回数や、保証年数の設定には差がある場合があります。こうした細かな違いは価格差以上に総所有コストへ影響することがあるため、カタログの脚注まで確認しておくことをおすすめします。

付属機能・拡張性の違いをどう金額換算するか

容量や出力が近い機種同士を比較する場合、UPS機能の有無や、ソーラーパネルとの接続対応、拡張バッテリーの有無といった付属機能の違いも比較材料になります。これらの機能を後から別売りのアクセサリーで補おうとすると追加費用がかかるため、必要な機能が最初から本体に備わっているかどうかも、総所有コストの一部として計算に入れておくと比較の精度が上がります。

価格は変動するという前提でTCOを試算する

ポータブル電源の販売価格はセール時期や為替の影響を受けて変動することが多く、比較検討の時点での価格差がそのまま数年後も続くとは限りません。TCOを試算する際は、購入時点の価格だけを固定値として使うのではなく、多少の変動幅を織り込んだ上で「どちらの機種がより安定してコストを抑えられそうか」という相対的な視点で比較することをおすすめします。

総所有コストで比較するために、導入前に整理しておきたいこと

TCOという視点を踏まえたうえで、実際の導入検討で整理しておきたい実務的なポイントをまとめます。

自社の想定使用年数を先に決めておく

総所有コストを比較する前提として、自社が非常用電源を何年程度使い続けるつもりなのかを先に決めておくことが重要です。3年での更新を想定するのか、7年、10年といった長期運用を想定するのかによって、重視すべき指標(初期価格重視か、サイクル寿命重視か)が変わってきます。この前提を稟議書や選定理由書に明記しておくことで、将来担当者が交代した際にも判断基準が引き継がれやすくなります。想定使用年数が短いのであれば初期価格の安さを優先し、長期運用を前提にするのであればサイクル寿命や保証年数を優先するという判断の分岐点を、あらかじめ社内で共有しておくとよいでしょう。

保証・サポート体制も総コストの一部として数値化する

保証期間内の故障であれば無償修理や交換の対象になる可能性がありますが、保証が切れた後の故障は自己負担での修理・買い替えになります。保証年数の違いは、単なる安心材料としてではなく、故障発生時の想定コストとして総所有コストの計算に組み込んでおくと、より実態に近い比較ができます。

選定理由をTCOの試算とセットで記録に残す

どちらの機種を選んだにせよ、なぜその1台を選んだのかという理由をTCOの試算結果とセットで記録に残しておくことをおすすめします。数年後に担当者が交代し、次の買い替えを検討する際、過去の試算根拠が残っていれば、同じ考え方を踏襲するか、状況の変化に応じて見直すかを判断しやすくなります。総所有コストという視点は、一度きりの比較で終わらせず、社内の選定文化として根付かせることに価値があります。

まとめ|「本体価格」は総コストの入り口に過ぎない

非常用電源の選定において、本体価格は比較の出発点に過ぎず、サイクル寿命や保証年数、付属機能、処分コストまで含めた総所有コストで見て初めて、本当に自社に合った1台が見えてきます。今回ご紹介したBLUETTI AC70とEcoFlow RIVER2 Proのように、容量帯が近い機種を比較する際こそ、この総所有コストという視点が選定の決め手になり得ます。導入を検討される際は、専門の販売店にも相談しながら、自社の想定使用年数に合った1台を見極めることをおすすめします。

▶【YouTubeで動画を見る】https://www.youtube.com/watch?v=AmhgxZMwcTA

▶【ボルトワークス公式ショップ】https://voltworks.official.ec/

▶【公式LINEで相談する】https://lin.ee/Cd11jZO

▶【お電話でのお問い合わせ】050-1809-3937