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法人の非常用電源は、交換できる電池より交換しなくて済む寿命で選ぶ視点

非常用電源を会社に備えるとき、気になるのは容量や出力だけではないはずです。数年後に電池が弱ってしまったら、買い替えるのか、電池だけ交換するのか。この判断は、BCPの予算計画や保管場所の考え方にも関わってきます。今回は、2021年に公開された動画「BLUETTI AC200MAX」の紹介を、いまの視点で振り返る形で取り上げます。動画の中で語られていた、電池の寿命の問題に対する2つの解き方、つまり「電池を交換できるようにする」考え方と「そもそも交換しなくて済むほど長持ちさせる」考え方を軸に、法人の備えとしてどう受け止められるかを整理します。なお、本記事の数値や仕様、価格は動画が公開された当時の説明に基づくもので、現在の製品や販売状況とは異なる場合があります。導入を検討される際は、必ずメーカーや販売店の最新の情報をご確認ください。

非常用電源の寿命問題を、動画はどう整理していたか

動画の冒頭では、2020年9月に発売されたBLUETTI AC200の紹介を振り返り、その約1年半後に改良版のAC200MAXが登場した、という流れが語られます。当時のAC200は、重量27.5kgで容量が2,000Wh、出力が2,000Wとされ、最大級の容量と出力を持つポータブル電源として紹介されていました。ここでは、動画が寿命の問題をどう位置づけていたかを見ていきます。

電池には寿命があり、サイクル数で表されるという前提

動画では、スマートフォンやパソコンの内蔵バッテリーと同じように、ポータブル電源の電池にも寿命がある、という前提から話が始まります。寿命は「サイクル」という単位で表され、満充電から使い切るまでを1回とするのが1サイクルだと説明されていました。従来型の電池ではサイクル数が約700回のものが多く、スマートフォンを2年ほど使うと充電がもたなくなる経験になぞらえて、高額なポータブル電源が2年ほどで使えなくなってしまうのでは、と購入をためらう人も多いだろうという指摘がありました。法人の場合も、この感覚は無視できません。非常用電源は購入して終わりではなく、数年にわたって使えて初めて備えとして意味を持つからです。

約700回から約3,500回へ、電池の種類で変わる寿命

動画によると、AC200シリーズに使われている電池はリン酸鉄リチウムと呼ばれる種類で、従来の三元系リチウムと比べて2倍以上のサイクル寿命があるとされていました。具体的には、従来のポータブル電源が約700回、AC200が約2,500回、AC200MAXが約3,500回とされ、従来型と比べると約5倍、動画内の表現では7倍近くまで伸びているという説明です。なお、この数字は動画内で紹介されたもので、実際の寿命は使い方や保管環境によって変わるとされています。動画の出演者は、使い方によるとしながらも、これだけのサイクル数があれば5年から10年は使える電源と考えている、と話していました。ただ、これは出演者個人の見立てであり、保証されたものではありません。法人としては、カタログ上のサイクル数をそのまま年数に置き換えず、使用頻度や点検方法とあわせて考える姿勢が必要です。

毎日使う個人と、いざという日に備える法人では減り方が違う

ここで考えたいのは、サイクル数の意味合いが、個人と法人で違うという点です。毎日のように充放電する個人のキャンプや車中泊であれば、サイクル数はそのまま寿命の目安になりやすいでしょう。一方、BCPで備蓄している電源は、普段はほとんど使われず、点検や訓練のときに充放電する程度かもしれません。その場合、サイクル数の上限に達するより前に、保管中の自然な劣化や、点検の抜けのほうが問題になる可能性があります。サイクル数が多いことは安心材料の一つではありますが、それだけで備えが完結するわけではない、という見方もできそうです。

「交換できる電池」と「交換しなくて済む電池」という2つの発想

動画の中盤では、寿命の問題を解決するための手段として、バッテリー交換式のポータブル電源が登場してきたことが紹介されます。出演者は、これを寿命の問題を解決する大変すばらしいアイデアだと評価しつつ、気になる点も挙げていました。

バッテリー交換式の強みと、動画が指摘した気がかり

交換式の最大の強みは、電池が弱ってきたときに、本体ごと買い替えなくても電池だけを入れ替えられる点です。動画でも、その点は高く評価されていました。ただし出演者が気にしていたのは、手軽に交換できるようにしたことで、電池そのものが大きくなり、さらにその電池を収める本体も大きくなってしまうという点です。せっかくのポータブル電源が肥大化したうえに、サイズの割には容量が少なく感じてしまう、という指摘でした。持ち運べることが利点の機器で、持ち運びにくくなってしまっては本末転倒だという見方です。もちろん、これはあくまで動画内の考え方であり、製品によって事情は違います。

オフィスや拠点での置き場所・持ち出しやすさへの影響

この指摘を法人の目線に置き換えると、オフィスの限られたスペースや、停電時に別の階や別の拠点へ運び出す場面が思い浮かびます。大きくて重い電源は、置き場所の確保だけでなく、いざというときに動かせる人が限られるという課題にもつながります。電池を交換できることは安心材料になりますが、本体サイズや重量が増えれば、保管や持ち運びの負担も増えます。導入前には、設置場所の寸法、重量、運び出す経路まで、実際に確かめておくとよいでしょう。

交換しなくて済むほど長持ちさせるという別の答え

動画が紹介していたもう一つの答えが、そもそも電池の寿命を延ばし、交換の必要を減らすという考え方です。AC200MAXは、リン酸鉄リチウム電池で約3,500回のサイクル数とされ、動画では「長期に使用できる電源」と整理されていました。交換式のように電池を入れ替える手間や、本体の大型化を避けながら、長く使えるようにするという方向性です。どちらが優れているかは、使い方や置き場所によって変わります。ここで大切なのは、寿命の問題への答えは一つではなく、自社の運用にどちらが向いているかを選ぶ視点を持つことだと言えます。

容量を「あとから足す」仕組みと、古い動画のいまの読み方

動画の後半では、AC200MAXの最大の魅力として、容量拡張の仕組みが紹介されていました。寿命の問題を電池の長寿命化で解決しつつ、容量の問題には別の答えを用意するという構成です。

予備バッテリーを接続して容量を伸ばす仕組み

動画によると、AC200MAXは本体右側に拡張用のアダプターを備えており、別売りの予備バッテリーB230やB300を接続することで容量を伸ばせるとされていました。B230の容量は2,048Wh、B300は3,072Whと紹介されています。本体の容量は2,048Whなので、B300を1台つなぐと5,120Wh、B300を2台つなぐと合計8,192Whになるという計算で、動画ではポータブル電源史上最大容量とも表現されていました。最初から大きな容量の本体を買うのではなく、必要に応じて足していける、という考え方です。

最初は小さく始めて、あとから足せるという稟議の通しやすさ

この仕組みは、法人の導入計画とも相性がよいかもしれません。非常用電源は、どれだけの容量が必要かを最初に正確に見積もるのが難しい備品です。拠点の機器が増えたり、想定する停電時間が見直されたりすれば、必要な容量も変わります。最初は本体だけで始め、予算の状況や必要性に応じて予備バッテリーを追加できるのであれば、初期の稟議を通しやすくなる面もあるでしょう。ただし、拡張用の機器は別売りで、追加費用もかかります。トータルでいくらになるかは、販売店に見積もりをとって確認することが欠かせません。

拡張するときに確認しておきたいこと

拡張機能には、確認しておきたい点もあります。本体と予備バッテリーの組み合わせが対応しているか、追加する時点でも同じ予備バッテリーが販売されているか、重量が増えたときの置き場所は確保できるか、などです。動画は2021年のものなので、現在も同じ構成が購入できるかどうかは分かりません。とくに数年後に拡張しようと考えている場合は、将来の入手性がどうなりそうかを、メーカーや販売店に事前に尋ねておくのが現実的です。

動画で語られていた価格の話にも触れておきます。ここは、時間が経ったいまだからこそ、読み方に注意が必要な部分です。

当時のセール価格は、いまの判断材料にならない

最後に、動画で語られていた価格の話にも触れておきます。動画の終盤では、AC200MAXの定価が約23万円台のところ、動画公開当時の楽天のセール期間中は税込18万円で購入できる、という紹介がありました。ただし、これは2021年の特定の期間の話であり、現在の価格とは関係がありません。セール価格を前提に稟議書を書いたり、予算を組んだりするのは避けたいところです。法人で導入を検討するときは、購入時点での定価、保証内容、販売店のサポートを含めて、最新の見積もりを取るのが基本になります。

型番が古くなっても使える、選び方の軸という考え方

古い動画を振り返る意味は、製品そのものではなく、選び方の軸を学べるところにあります。今回の動画から取り出せる軸は、寿命の問題を「交換できること」で解くのか、「交換しなくて済むこと」で解くのか、そして容量をあとから足せるのか、という点でした。これらは、型番が変わっても使える考え方です。いまの製品を検討する際にも、サイクル数がどれくらいか、電池は交換できるのか、容量の拡張は可能か、本体サイズと重量は運用に合うか、といった問いを持って比較できます。

導入前に確認したいチェックの流れ

実際の検討では、次のような順番で確かめていくと整理しやすくなります。まず、電源をどのくらいの頻度で使う想定なのかを決めます。毎日使うのか、訓練や点検のときだけなのかで、サイクル数の意味合いが変わります。次に、置き場所と運び出し方法を現地で確認します。そのうえで、電池の交換や容量の拡張が必要になったときに、メーカーや販売店がどこまで対応してくれるかを書面で確認します。最後に、年に数回の点検と充放電を計画に入れ、担当者が替わっても続けられる運用にしておきます。こうした確認を積み重ねることで、数年後にも使える備えになりやすくなります。

まとめ:寿命の問題は、交換と長寿命の両面から考える

今回の動画から読み取れるのは、非常用電源の寿命の問題には、電池を交換できるようにする道と、交換しなくて済むほど長持ちさせる道があるということです。AC200MAXは後者を選び、さらに容量をあとから足せる仕組みを組み合わせた製品として紹介されていました。法人の備えとしては、サイクル数の数字だけで判断せず、使う頻度、置き場所、点検の体制、そして将来の拡張や交換の可否まで含めて考えることが役に立つと考えられます。まずは、すでに導入している電源の購入時期と使用状況を確認し、次の見直しのタイミングを社内で共有するところから始めてみてはいかがでしょうか。判断に迷う場合は、最新の情報を持つ販売店や専門家に相談してみてください。

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