元動画:【電気毛布もOK?】技術者が選ぶ車中泊にピッタリのポータブル電源ベスト3(https://www.youtube.com/watch?v=OJ5AUqI1kmI)
災害で帰宅できなくなった夜、社用車の中で待機することになったら、何があれば一晩を過ごせるでしょうか。冬場なら、まず思い浮かぶのは寒さ対策です。ボルトワークスの過去動画に、車中泊に向くポータブル電源の条件を、電気毛布の消費電力から逆算して整理した回があります。公開は2021年12月で、いまの視点で見ると5年近く前の動画です。そのため、この記事では動画で紹介された製品の最新の仕様や販売状況には踏み込みません。電源を選ぶときの考え方に絞って振り返ります。動画は車中泊の楽しみ方としての内容ですが、車の中で夜を越すという状況は、災害時の待機や、遠方での夜間作業の備えにも重なります。社用車に積む電源を選ぶ企業の担当者が、どこから考え始めればよいかの手がかりとして読んでいただければと思います。なお、記事中の数値は動画内で話された目安です。機種や使い方によって異なりますので、実際の選定ではメーカーの公式情報をご確認ください。

車で過ごす夜の電源は、まず容量や出力より前に確かめることがある
動画は、車中泊に向く電源の特徴を四つ挙げています。このうち前半の二つは、容量や出力といった数字ではなく、置き方や使い勝手の話です。数字を比べる前に、そもそも車内で扱えるかを見る、という順番になっています。
嵩張らないこと、持ち手が収納できること
一つめの特徴は、嵩張らないことです。動画の撮影者は電源をベッドの下に収納することが多く、高さが27cmを超えるとベッドの下に入らなくなると話していました。27cmという数字は撮影者の車の寸法であって、一般的な基準ではありません。ただ、高さの分だけ車内の空間が減るのは、どの車でも同じです。社用車であれば、荷室のどこに、どの向きで置くのかを先に決めておくと、候補機の外寸と照らし合わせやすくなります。
あわせて動画は、持ち手が収納できるかどうかにも触れています。持ち手が固定されているタイプは耐久性が高いという利点があります。一方、収納式は可動部が増えるぶん耐久性は下がるとされます。ただし、電源を何十年も使い続けるわけではないので、ある程度の耐久性があれば十分、というのが撮影者の考え方でした。収納式なら、使わないときに上へ物を載せられ、置き場所としても使えます。動画では、持ち手への配慮が少ない設計の電源は、使う人の動きを考えていないのでは、という辛口の感想も語られていました。これは撮影者個人の見方ですので、そのまま一般化はできません。それでも、狭い車内で人が出入りする場面を想像して選ぶという視点は、企業の備えでも参考になります。
端子が前面にそろっているか
二つめの特徴は、端子がすべて前面にあることです。ポータブル電源には、ACコンセントやUSB端子などが付いています。ところが機種によっては、ACコンセントだけが背面にあるものがあります。内部にバッテリーやインバーターなど多くの部品が入るため、設計上はやむを得ない面があるのかもしれません。しかし、車内では電源を壁に沿わせて置くことが多く、背面の端子に差すたびに本体を持ち上げるのは手間になります。
この点は、被災時の使い方に置き換えると、よりはっきりします。暗い車内で、疲れた状態の担当者が、重い電源を動かさなければ家電をつなげないとすれば、それだけで使いにくい備えになります。購入前に、端子の位置を写真や仕様表で確かめ、設置したときに手が届くかを想像しておくとよいでしょう。

走行充電と必要な容量は、電気毛布の一晩分から計算する
後半の二つの特徴は、充電の入り方と、容量・出力の見積もり方です。動画は、ここで具体的な計算の手順を示しています。
車のシガーソケットから入る電力には上限がある
三つめの特徴は、シガーソケットからの充電が速いことです。動画の説明では、車はエンジンの回転で発電機を回し、その電力を電装品に使い、余った分を車の12Vバッテリーにためています。この仕組みを使って、シガーソケットからポータブル電源を充電できます。ただし、ソケットから取り出せる電力には上限があります。動画では、上限は約180Wとされ、電装品を使わない場合の数字なので、実質は約100Wと話されていました。これを超えるとヒューズが切れ、ソケットが使えなくなって車の修理が必要になる場合があるといいます。そのため、電源の側であらかじめ充電できる電力を下げて、車を守る作りになっているとのことです。
当時は約20Wだった走行充電が、約80Wまで増えてきた
動画によると、以前のポータブル電源の走行充電は20W程度でした。これはバッテリー残量の目盛りが一つ増えるかどうかというほどの能力で、実用的な充電とは言いにくい、と撮影者は評価しています。その後、50Wや90Wで充電できる電源も出てきて、撮影者が実際に使った中での最大は80〜90Wでした。そのため、走行充電が約80W入る電源が目安になる、というのが動画の結論です。
ここで注意したいのは、これが2021年当時の数字だということです。いまの製品の走行充電の能力は、動画の時点から変わっている可能性があります。また、車側の条件によっても結果は変わります。社用車に使う場合は、候補にしている電源の走行充電の仕様と、車のシガーソケットの許容電力を、それぞれ公式の資料で確かめることが前提になります。
容量は、電気毛布を一晩使う分から逆算する
四つめは、ほどほどの容量と出力があることです。動画は、容量と出力は使う人によって必要な量が違うため、基準は決めにくいと断ったうえで、車中泊の場合を例に計算していました。
車中泊の道具の中で、いちばん容量が必要になるのは電気毛布だと動画は考えています。強さが中ぐらい、あるいは弱めであれば、消費電力はおおむね30〜50Wです。睡眠時間を約7時間とすると、50Wで使った場合に約350Whが必要になる計算です。ただし、これは電気毛布だけを使った場合の数字で、実際には500Whはないと厳しいだろう、と動画は述べています。そこに小さなケトルやIHコンロでの簡単な調理を加えたい場合を考え、撮影者は容量700Whくらいあれば十分と判断していました。
この考え方は、企業の備えにもそのまま使えます。何を、何時間、何台使うのかを先に書き出し、その消費電力の合計から容量を決めるやり方です。製品のカタログに載っている数字から選ぶのではなく、使う道具から必要量を出すところに、この動画の実用的な価値があります。
出力は、使いたい機器の最大出力に1.2〜1.4倍の余裕を見る
出力についても、動画は考え方を示しています。車中泊の道具の中で大きな出力が必要になるのは、小型のIHコンロだと撮影者は考えました。IHコンロを動かせれば、ケトルなども使えるからです。一般的なケトルの出力は約400Wとされ、余裕を持たせて600W以上は欲しい、という結論でした。
その理由として、電気製品は負荷によって最大出力が変わり、電源が耐えられる範囲を超えると停止してしまうことが挙げられています。具体的には、使いたい機器の出力に1.2〜1.4程度の数をかけると、余裕のある電源になると説明されていました。動画の結論は、容量が700Wh程度、出力が600W以上です。もちろん、これは車中泊の例に合わせた数値です。企業の備えで暖房器具や通信機器を動かすなら、使う機器の定格をもとに、同じ手順で見積もり直す必要があります。

動画の3機種の見方と、法人の備えに置き換えるときの注意
動画の終盤では、これらの条件を満たす例として、国内で買える3機種が紹介されました。
動画で挙がった3機種は、当時の例として読む
紹介されたのは、MaxPowerのMP700J、Jackeryの708、BLUETTIのEB55です。動画では、いずれも端子が前面にあり、持ち手が付いていて、車中泊の条件を概ね満たすと話されていました。容量や出力は、撮影者が欲しい700Wh・600Wに対して、少し足りないものと、ちょうどよいものがあるという評価でした。
ただし、これらは2021年12月時点での紹介です。現在も同じ型番で販売されているか、後継機に切り替わっているか、仕様がどう変わったかは、この記事の執筆時点では確認できていません。このため、本文では各機種の容量や出力の数字を並べないことにしました。購入を検討する場合は、メーカーの公式サイトで現在の取り扱い状況と仕様を確かめてください。型番が変わっていたとしても、動画の「端子の位置・持ち手・走行充電・容量と出力」という物差しは、いまの製品選びにも使えます。
車中泊の想定を、社用車の備えに置き換える
動画は個人の車中泊を想定していますが、物差しは企業の備えにも通用します。たとえば、災害時に社用車の中で従業員が夜を過ごす場面です。その場合は、電気毛布のほかに、スマートフォンの充電や、通信機器の電源も必要になるかもしれません。使いたい機器を一覧にして、消費電力を合計し、そこに余裕を足して容量と出力を決める。動画の手順をそのまま借りられます。
もう一つ、社用車ならではの確認があります。車への取り付けや、走行充電の使い方は、車種や使い方によって条件が違います。誰が、どの車に、どこへ積むのかを先に決めておくと、外寸や端子の位置の確認がしやすくなります。冬の車内の寒さ対策は、電気毛布だけに頼らず、防寒具や断熱など、ほかの手段との組み合わせで考えるのが現実的です。この記事は、電源の選び方に絞った振り返りですので、実際の運用では、ご自身の状況に合わせて安全面もご確認ください。

まとめ:電源選びは、使う道具の一覧から始める
動画の内容を、企業の備えに引き寄せてまとめます。まず、嵩張らず、持ち手が収納でき、端子が前面にそろっているかを見て、車内で扱えるかを確認します。次に、走行充電がどのくらい入るかを、公式の仕様と車の条件の両方で確かめます。そして、使う道具の消費電力から、必要な容量と出力を逆算します。動画の例では、電気毛布を一晩使うために約350Whが必要で、余裕を見て500Wh、調理も加えるなら700Wh程度という流れでした。出力は、使う機器の最大出力に1.2〜1.4倍の余裕を見る、という考え方です。
最初の一歩としては、社用車で夜を越すときに使いたい機器を、紙に書き出してみてはいかがでしょうか。機器ごとの消費電力と使う時間が分かれば、必要な容量と出力のおおよその目安が出せます。
車に積む電源の容量や出力の見積もり、走行充電の相性などで迷う場合は、ボルトワークスにご相談ください。使いたい機器と車の種類をお知らせいただければ、使い方に合わせたご提案ができます。

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